2009/05
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思いやりに満ちた社会へ①

Posted on 2009年5月31日 by omi

地元浦幌小学校のPTA会長2年目に突入。。。地域にいないことも多いので、不安いっぱいだけど、信頼できるまわりの仲間の支えが本当に心強い。

困った時は助け合う。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜

当たり前のことが、なかなかできない世の中。

3年前に漁師の仕事中に転覆事故に巻き込まれた時に先輩漁師や仲間の漁師は自らの仕事を中断し、最優先で助けにきてくれた。

おおげさな言い方かもしれないが、そのことが、当時の私に大きな衝撃を与えた。

いまの世の中、困っても誰も助けてくれないと思っていた。自分の力で生きていきたい!自分の可能性を引き出したい!そんな思いも私が北海道に移り住んだ理由だ。親もいない、誰も知らない世界で自分の力を試してみたい!もう、20年も前のことだ。

そして漁師になり、加工場を手作りし、ゼロから始めたネット産直販売がちょうどピークの時期だった。楽天市場でも売り上げは年々倍増。テレビなどのメディにも数多く取り上げられた。

ゼロから、誰にも頼らず、自分の力で頑張って、成功を手に入れたと思い始めた時の事故。

自分や自分の家族の幸せしか考えていなかった私に、自分のことしか考えていなかった私のことも仲間漁師は 助けてくれた。

人として大切な一番大事なことをそこで教えられた気がした。

漁師の仕事は、ほんとうに命がけ。漁師たちの暮らしは、いつも自然相手だ。思い通りにならないことが多いし、せっかく立てた計画も計画倒れになることも多くある。

だから、みんなで協力することの意味を体で理解している。

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自然の前では、自分はちっぽけな存在だと認識している。

自分ひとりではなく、みんなで支え合っていくことが自然の中で生きていく上での一番大事なことだと。

いままでの自分もそうだが、都会にいたら、それが良く分からない。

尊敬する養老孟司氏曰く、それが都会であり、人間が人知の及ぶ範囲として作り上げたのが都会であり、計画通りに行くことが当たり前でそのことを追求して行く中で更なる進化をしているのが都会である。

その中にいれば、思い通りにいかないのは努力が足りないと判断され、

支え合っていく価値が見失われ、個人の力が求められ、自己責任の元どんどんと競争が激化していく社会である都会。

その都会が、その価値観がいま行き詰まってきたのは、確かだ。

求めるべきヒントは、漁師から私が学んだように都会の対局にある「自然との向き合うこと」の中にあるのかも知れない。

思い通りにならない自然がすべての基盤。だから支え合うことが大切で、認め合い、補いあうことが大事。そこを理解した上に、個々が努力をすることを覚えていけば、どうなるだろうか?

確かにいままでの農山漁村では、自然と対峙して行く中で思い通りにならない場面が多いので、努力をすることをあきらめる部分は、都会よりも多くあったのも事実。

そちらに偏るのではなく、都会に偏るのではなく、支え合いの気持ちを心の中心に持った上で、お互いに競い合い努力をしあい、高めあっていくことが、これからの社会に求められるような気がする。

都会には都会の役割があり、農山漁村にはその役割がある。

互いの役割を求め合い、支え合い、補いあうこと。

そんな都市と農山漁村の信頼関係を未来に築いていきたい!